昨日、大宮に所用で出かけた。
一昨日に、馴染みの患者さんから「大宮にある贔屓の鮨店が、行ったら閉店していました」と聞き、それならばと自分の目と足で確かめたくなったのだ。
無論、それだけのために大宮に出向いた訳ではなかったが、本当にその鮨店は閉店していた。跡形もない「スケルトン渡し」の状態で・・・。
造作物も一切無かった。
ああ、本当に無くなったんだな。と思うのと同時に、カウンターや椅子などの内装さえも引き取り手がいなかったんだな。居抜きでやる人もいなかったんだな・・・なんでこんなになっちゃうんだろ。
世間はまだまだ不景気なんだなと。
その次に、私の脳裏には、このお店での出来事が、数々の思い出が、たくさんたくさん浮かんできた。
当院の歓送迎会もやった。要予約のマグロのかぶと焼きと百貫にぎりは圧巻だった。中トロ、ウニ、いくらを太巻きにした三種巻も絶品。他ではメニューにさえも無いからだ。
歩行者の見える、窓際の一番奥のテーブル席が私のお気に入り。
家族で、事あるごとに何回着席したかわからない。
そうそう、父母も連れて行った。
振り返れば西暦で言うと、2000年前後の日本の景気は今より間違いなく良かったし、私も調子に乗っていた。
この鮨店にはそういえば、私が結婚する前の時から通っていたのだ。
手前のカウンターも良かったが、そのもう一つ奥のカウンターが静かで心地よいのだ。
目の前にフライヤーがあり、天ぷらを揚げる職人さんたちとの会話は、今でも鮮明に覚えている。
「くら」の泡盛を片手によく呑んだ。
店長さんの気前も最高だった。
この目でしかと閉店後を見届けて、寂しい限りこの上ない。